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和歌山の地名の読み方|難読地名60選をエリア別に地元民が解説【クイズ付き】

和歌山の地名の読み方|難読地名60選をエリア別に地元民が解説【クイズ付き】

「六十谷」「布施屋」「学文路」。カーナビや道路標識で見かけて、思わず読み方を検索した経験はありませんか。和歌山県は、県民でも隣の市の地名が読めないことが珍しくない「難読地名の宝庫」です。

引っ越しや通勤で住所を書くとき、旅行で駅名を読み上げるとき、地元の人の前で堂々と間違えるのは少し気まずいものです。実は和歌山市内の駅名だけでも「むそた」「ほしや」「いだきそ」と、初見ではまず読めない読み方が並んでいます。

この記事では、和歌山県の難読地名を市町村名・和歌山市・紀北・紀中・紀南のエリア別に約60件まとめ、読み方と所在地、由来が知られているものはその背景も紹介します。最後には、難読地名そのものを目当てに出かけられる「旅の楽しみ方」もまとめました。まずは市町村名クイズから、何問読めるか試してみてください。

地元民のひとこと:和歌山市に35年住んでいても、紀南の「見老津」や古座川の「一雨」は最初読めませんでした。県民同士でも「その地名、なんて読むん?」という会話が普通に成り立つのが和歌山です。

和歌山の難読地名クイズ|まずは市町村名10問で腕試し

和歌山県は9市20町1村の計30市町村で構成されています。まずは市町村名から、読めそうで読めない10問を出題します。答えは表の右側に載せているので、隠しながら挑戦してみてください。

和歌山市のシンボル和歌山城
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY 2.5)
問題 読み方 ヒント
印南町 いなみちょう 「いんなん」ではありません。カツオ漁で知られる町です
上富田町 かみとんだちょう 「とみた」ではなく「とんだ」と濁ります
有田市 ありだし みかんで有名。「ありた」ではなく「ありだ」
御坊市 ごぼうし 野菜の「ごぼう」と同じ読みです
由良町 ゆらちょう 白崎海洋公園の白い岩壁で知られます
太地町 たいじちょう 「おおち」ではありません。くじらの町
すさみ町 すさみちょう ひらがな表記の町。旧表記は「周参見」
紀美野町 きみのちょう 「きびの」ではなく「きみの」
九度山町 くどやまちょう 真田幸村ゆかりの町
日高川町 ひだかがわちょう 「ひたか」ではなく「ひだか」

市町村名の正式な一覧は和歌山県公式サイトの市役所・町村役場一覧で確認できます。「印南町」と「上富田町」は県外の人がもっとも読み間違えやすい市町村名として知られています。

和歌山市の難読地名|六十谷・布施屋・伊太祈曽など駅名になっている読み方

県庁所在地の和歌山市は、城下町由来の「丁(ちょう)」が付く町名と、古い村名がそのまま残った地名が混在しています。ここでは駅名や住所でよく目にする代表的な難読地名をまとめました。

和歌山電鐵貴志川線の伊太祈曽駅
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY 2.5)
地名 読み方 メモ
六十谷 むそた JR阪和線の駅名。「ろくじゅうだに」と読む人が続出する市内随一の難読地名
布施屋 ほしや JR和歌山線の駅名。「ふせや」ではありません
伊太祈曽 いだきそ 和歌山電鐵貴志川線の駅名。駅の南約350mに伊太祁曽神社があります
吉礼 きれ 貴志川線の駅名。伊太祈曽の隣駅
直川 のうがわ 「なおかわ」ではなく「のうがわ」
吐前 はんざき 紀の川沿いの地名。漢字からは想像しにくい読み
有功 いさお 市北部の地名。人名のような読み方
新内 あろち 市街地の町名。「しんない」と読みたくなります
井辺 いんべ 「いべ」ではなく「いんべ」
梶取 かんどり 「かじとり」ではなく「かんどり」
土入 どうにゅう 紀の川北岸の地名
永穂 なんご 「ながほ」と読みがち
小豆島 あずしま 香川の「しょうどしま」と同じ漢字で読みが違います
岩橋 いわせ 「いわはし」ではなく「いわせ」
徒町 かちまち 城下町由来の町名
雑賀崎 さいかざき 雑賀衆で知られる漁村。景観の良い観光地

駅名になっている地名は、鉄道会社の公式サイトで正式な読みが確認できます。伊太祈曽駅は和歌山電鐵の駅ページで「いだきそ」と案内されており、ホームや跨線橋などが国の登録有形文化財に登録されています。住所としての町名は和歌山市の支所・連絡所所管区域一覧で地区ごとに調べられます。

紀北エリアの難読地名|学文路・且来・勝神など橋本・紀の川・海南の読み方

紀の川沿いの紀北エリアは、高野山への参詣道として古くから人の往来があった地域で、古い村名が今も地名として残っています。橋本市の「学文路」は全国区の難読駅名として有名です。

大正時代の木造駅舎が残る学文路駅
写真: Yaruze / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)
地名 読み方 所在地
学文路 かむろ 橋本市
隅田 すだ 橋本市
応其 おうご 橋本市
神野々 このの 橋本市
胡麻生 ごもう 橋本市
向副 むかそい 橋本市
勝神 かすかみ 紀の川市
麻生津中 おおづなか 紀の川市
花野 けや 紀の川市
後田 しれだ 紀の川市
且来 あっそ 海南市
重根 しこね 海南市
扱沢 ぐみざわ 海南市
鰈川 かれがわ 海南市
船尾 ふのお 海南市
笠田 かせだ かつらぎ町
中飯降 なかいぶり かつらぎ町
動木 とどろき 紀美野町
河根 かね 九度山町

学文路駅は南海電鉄の駅ページで「かむろ」と案内されています。所在地は橋本市学文路で、高野線の紀伊清水駅と九度山駅の間にあります。「学問の路」と書く縁起の良さから、受験シーズンには合格祈願で訪れる人が多い駅です。海南市の「且来(あっそ)」は、上富田町の「朝来(あっそ)」と同じ読みで漢字が違うという、県内でも珍しいペアです。

紀中エリアの難読地名|財部・晩稲・樮川など有田・御坊・日高の読み方

有田川から日高川にかけての紀中エリアは、みかんと梅の産地です。派手さはありませんが、「晩稲」「樮川」のように漢字検定級の地名がそろっています。

由良町の白崎海洋公園の白い石灰岩
写真: 聖石大戦ぶぅぶぅ / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)
地名 読み方 所在地
財部 たから 御坊市
熊野 いや 御坊市・田辺市
須谷 すがい 有田市
初島町生石 おいし 有田市
唐尾 かろ 広川町
河瀬 ごのせ 広川町
粟生 あお 有田川町
修理川 すりがわ 有田川町
伏羊 ぶよう 有田川町
衣奈 えな 由良町
吹井 ふけい 由良町
高家 たいえ 日高町
印南原 いなんばら 印南町
樮川 ほくそがわ 印南町
晩稲 おしね みなべ町
気佐藤 きさと みなべ町
埴田 はねた みなべ町
早藤 はいくず 日高川町
平川 ひゅうがわ 日高川町
三百瀬 みよせ 日高川町

御坊市と田辺市にある「熊野」は、世界遺産の熊野(くまの)ではなく「いや」と読みます。ナビで熊野古道を目指すときに、うっかり別の「熊野」を選ばないよう注意が必要です。「樮」は和歌山の地名以外ではほとんど見かけない漢字で、県外の人にとっては最難関クラスです。

紀南エリアの難読地名|芳養・日置・見老津・八尺鏡野など田辺以南の読み方

田辺市から串本町、新宮市にかけての紀南エリアは、観光で訪れる人がもっとも難読地名に出会う地域です。国道42号の標識やJRきのくに線の駅名に、そのまま難読地名が並んでいます。

串本町の名勝・橋杭岩
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY 2.5)
地名 読み方 所在地
芳養 はや 田辺市
文里 もり 田辺市
真砂 まなご 田辺市・古座川町
伏菟野 ふどの 田辺市
北郡 ほくそぎ 田辺市
日置 ひき 白浜町
安居 あご 白浜町
安宅 あたぎ 白浜町
庄川 しゃがわ 白浜町
朝来 あっそ 上富田町
周参見 すさみ すさみ町
見老津 みろづ すさみ町
防己 つづら すさみ町
出雲 いつも 串本町
吐生 はぶ 串本町
八尺鏡野 やたがの 那智勝浦町
粉白 このしろ 那智勝浦町
狗子ノ川 くじのかわ 那智勝浦町
夏山 なっさ 太地町
一雨 いちぶり 古座川町
直見 ぬくみ 古座川町
田長 たなご 新宮市
瀞峡 どろきょう 北山村

那智勝浦町の「八尺鏡野(やたがの)」は、三種の神器のひとつ「八咫の鏡」に由来するという説が伝わっています。「周参見(すさみ)」は荒れすさぶ海の様子から名付けられたという説があります。串本町の「出雲」は島根の「いずも」ではなく「いつも」と読みます。紀南の観光情報は串本の観光スポットや白浜観光モデルコースも参考にしてください。

なぜ和歌山には難読地名が多いのか|好字二字令と神話、そして方言の音変化

和歌山に難読地名が多い理由は、大きく3つにまとめられます。古代の法令による当て字、神社や神話にまつわる地名の多さ、そして口伝えで変化した読みが漢字に残ったことです。

熊野本宮大社の旧社地・大斎原の大鳥居
写真: popsaurus / Wikimedia Commons (CC BY 3.0)

好字二字令による当て字

奈良時代の713年、朝廷は郡や郷の名前を縁起の良い漢字二文字で表すよう命じました。もともと音だけで呼ばれていた土地に後から漢字を当てたため、漢字の字面と読みが一致しない地名が全国に生まれ、和歌山にも数多く残っています。「且来(あっそ)」「吐前(はんざき)」のように、漢字から読みをたどれない地名はこのタイプと考えられます。

神社・神話に由来する地名

紀伊国一宮の伊太祁曽神社がある「伊太祈曽」、八咫の鏡にちなむとされる「八尺鏡野」など、和歌山は神社や神話がそのまま地名になった例が目立ちます。熊野三山や高野山を抱える土地柄で、信仰にまつわる古い呼び名が現代まで受け継がれています。

方言の音変化がそのまま残った地名

和歌山弁には「ざ行」が「だ行」に近く聞こえるなど、独特の音の特徴があります。口伝えで少しずつ変化した読みが固定され、漢字だけが古い形で残ると、「六十谷(むそた)」のように字面と大きくずれた地名になります。方言そのものに興味がある方は和歌山弁一覧と和歌山弁クイズもあわせてどうぞ。

難読地名を旅で楽しむ|学文路駅の入場券と伊太祈曽駅、瀞峡めぐり

難読地名は、読めるようになるだけでなく「現地を訪ねる理由」にもなります。和歌山では駅そのものが観光地になっている難読駅が2つあり、どちらも大阪方面から日帰りで行けます。

北山村と奈良・三重の県境にまたがる瀞峡
写真: baggio4ever / Wikimedia Commons (CC BY 3.0)

学文路駅(橋本市)は南海高野線の駅で、受験シーズンに販売される入場券が縁起物として知られています。駅係員は終日不在の駅なので、用事がある場合はインターホンで呼び出す形です。駅近くには学問の神様を祀る学文路天満宮があります。入場券の販売時期や枚数は年によって変わるため、南海電鉄公式サイトで最新をご確認ください。

伊太祈曽駅(和歌山市)は和歌山電鐵の本社と車庫がある駅で、猫の駅長で有名な貴志川線の中核駅です。駅の南約350mに伊太祁曽神社があり、レンタサイクルも扱っています。営業時間や貸出条件は和歌山電鐵公式サイトで最新をご確認ください。

瀞峡(北山村)は「どろきょう」と読む峡谷で、和歌山・奈良・三重の県境にまたがる景勝地です。観光船の運航状況は季節や水量で変わるため、出発前に公式案内で確認しておくと安心です。

項目 学文路駅 伊太祈曽駅
読み方 かむろ いだきそ
路線 南海高野線 和歌山電鐵貴志川線
所在地 和歌山県橋本市学文路361番地1 和歌山県和歌山市伊太祈曽
隣駅 紀伊清水駅・九度山駅 吉礼駅側・山東駅側(要確認)
駅員 終日不在(インターホン対応) 有人(きっぷ窓口あり)
見どころ 大正期の木造駅舎・合格祈願の入場券 登録有形文化財の駅施設・伊太祁曽神社
料金・営業時間 要確認(公式サイト参照) 要確認(公式サイト参照)
公式URL nankai.co.jp wakayama-dentetsu.co.jp

周辺のおすすめ|難読地名めぐりとあわせて行きたい場所

よくある質問

和歌山でいちばん有名な難読地名はどこですか

県外での知名度がもっとも高いのは橋本市の「学文路(かむろ)」です。南海高野線の駅名として全国の難読駅名ランキングで常連になっています。和歌山市内では「六十谷(むそた)」と「布施屋(ほしや)」が代表格です。

和歌山県の市町村名で読み間違えやすいのはどこですか

「印南町(いなみちょう)」「上富田町(かみとんだちょう)」「有田市(ありだし)」「太地町(たいじちょう)」がよく間違えられます。特に有田は佐賀の「ありた」と混同されやすいので、みかんの産地は「ありだ」と覚えておくと確実です。

「熊野」を「いや」と読むのはなぜですか

御坊市と田辺市にある「熊野(いや)」は、世界遺産の熊野(くまの)とは別の地名です。由来については諸説があり、公的に確定した説明は確認できていません。ナビや地図で目的地を設定するときは、市町村名まで含めて確認するのが安全です。

難読地名の正しい読みはどこで確認できますか

駅名は各鉄道会社の公式サイト、住所としての町名は各市町村の公式サイトが確実です。和歌山市であれば支所・連絡所の所管区域一覧に町名が地区ごとに載っています。民間のまとめサイトは読みが誤っている場合があるため、住所を書く前には公式情報で裏を取ることをおすすめします。

難読地名を目当てに観光することはできますか

できます。学文路駅は受験シーズンの入場券、伊太祈曽駅は登録有形文化財の駅施設と猫の駅長関連グッズ、瀞峡は峡谷美と観光船というように、それぞれ現地で楽しめる要素があります。日程や運行状況は各公式サイトで最新をご確認ください。

まとめ|和歌山の難読地名は「読めたら地元民」の合言葉

まとめ

  • 市町村名では印南(いなみ)・上富田(かみとんだ)・有田(ありだ)・太地(たいじ)が要注意
  • 和歌山市の駅名では六十谷(むそた)・布施屋(ほしや)・伊太祈曽(いだきそ)が三大難読
  • 紀北の学文路(かむろ)は全国区の難読駅名で、合格祈願の入場券が名物
  • 紀南では芳養(はや)・日置(ひき)・見老津(みろづ)・八尺鏡野(やたがの)を押さえておくと標識が読める
  • 難読の背景は713年の好字二字令・神社や神話・方言の音変化の3つ

地名が読めるようになると、和歌山の旅は標識ひとつ見るだけでも楽しくなります。次は和歌山弁一覧で言葉の面からも和歌山に近づいてみてください。


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和歌山タイムズ編集部(株式会社Tip)
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