「和歌山って、みかんと梅のほかに何が日本一なの?」と聞かれて、地元民でも即答できないことがあります。実は和歌山県は、果物だけで収穫量全国1位の品目が8つあり、さらに「醤油醸造の発祥の地」「鰹節の製法を生んだ町」「日本一短い川」「全国で唯一の飛び地の村」まで抱えています。ところがネット上の一覧は年度も出典も曖昧で、「◯年連続」の数字だけが一人歩きしがちです。この記事では、和歌山県公式・市町村公式・農林水産省でWebFetch確認できた年度付きの数値だけを使い、和歌山の日本一を「生産量」「発祥・歴史」「地形・自然」の区分で一覧にしました。数値の裏取りが取れなかった項目は正直に「日本一と言い切れない」枠に分けています。後半では、それぞれの日本一を旅行者が実際に見に行ける「ゆかりの場所」と1日ルートも紹介するので、和歌山あるあるの知識としても、次のおでかけの計画としても使ってください。
和歌山の日本一を一覧表で確認(県公式データ・年度付き)
まず結論として、和歌山県公式サイト「わかやまなんでもランキング」に掲載されている全国1位の品目を、年度と出典付きで一覧にします。農産物9品目+花き1品目の計10品目が収穫量・出荷量で全国1位です。数値は和歌山県「わかやまなんでもランキング」(2026年9月25日確認)によります。
| 品目 | 区分 | 数値 | 年度 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| みかん | 収穫量 | 141,700トン | 令和6年産 | 作物統計 |
| うめ | 収穫量 | 43,000トン | 令和7年産 | 作物統計 |
| かき | 収穫量 | 32,100トン | 令和6年産 | 作物統計 |
| はっさく | 収穫量 | 17,446トン | 令和5年産 | 特産果樹生産動態等調査 |
| いちじく | 収穫量 | 1,692トン | 令和5年産 | 特産果樹生産動態等調査 |
| グリーンピース | 収穫量 | 1,700トン | 令和6年産 | 作物統計 |
| セミノール | 収穫量 | 1,241トン | 令和5年産 | 特産果樹生産動態等調査 |
| さんしょう | 収穫量 | 308トン | 令和5年産 | 特産果樹生産動態等調査 |
| じゃばら | 収穫量 | 178トン | 令和5年産 | 特産果樹生産動態等調査 |
| スターチス(花き) | 出荷量 | 63,600千本 | 令和6年産 | 作物統計 |
生産量以外の「日本一」「全国唯一」も、この記事で公式に確認できたものは次の4つです。醤油醸造の発祥の地(湯浅町・日本遺産)、鰹節の製法を生んだ地(印南町)、日本一短い二級河川ぶつぶつ川(那智勝浦町)、全国唯一の飛び地の村(北山村)です。

生産量が日本一:みかん・梅・柿の「和歌山三冠」
和歌山の日本一といえば、まずこの3つです。みかん・梅・柿はいずれも収穫量で全国1位で、県民にとっては「当たり前」すぎて日本一だと意識しないレベルの存在です。
みかん:令和6年産141,700トンで全国1位
和歌山県のみかん収穫量は令和6年産で141,700トン(和歌山県公式)。農林水産省の作物統計(令和6年産みかん)でも和歌山県が都道府県別の首位で、長年にわたり1位を守り続けています。有田市・有田川町・湯浅町・海南市下津などの海に面した斜面が主産地で、秋から冬にかけて山肌がオレンジ色に染まる風景は、県民が「和歌山らしい」と感じる景色の代表です。旅行者が体験するなら和歌山のみかん狩りが手軽で、10月〜12月が中心シーズンです(農園ごとの時期・料金は各農園の案内をご確認ください)。
梅:令和7年産43,000トン、南高梅のふるさと
梅は令和7年産で43,000トンが全国1位。主産地はみなべ町と田辺市で、梅干し用の「南高梅」はこの地域で生まれた品種です。2月には南部梅林(みなべ町)が観梅客でにぎわい、6月には青梅の収穫が始まります。梅林の見頃や梅まつりの日程は年ごとに変わるため、みなべの梅の記事とみなべ町の公式発表を合わせて確認してください。
柿:令和6年産32,100トン、伊都地方が県の3分の2
柿は令和6年産で32,100トン。橋本市公式サイトによると、全国で生産される柿の5分の1を和歌山県が占め、橋本市・かつらぎ町・九度山町・高野町の伊都地方だけで県全体の3分の2を生産しています。同ページ(2023年11月更新)では44年連続日本一と紹介されており、連続年数はその後も更新中です。秋に高野山へ向かう途中、九度山町の「道の駅 柿の郷くどやま」に立ち寄ると、旬の柿と柿の葉寿司が並びます(営業時間は道の駅公式でご確認ください)。

山椒・じゃばら・はっさく…知られざる和歌山の日本一の農産物
三冠の陰に隠れがちですが、山椒・じゃばら・はっさく・いちじく・セミノール・グリーンピース・スターチスも全国1位です。ここは県民でも「知らなかった」が続出する領域なので、あるあるネタとして覚えておくと話が広がります。
さんしょう:令和5年産308トン、有田川町の「ぶどう山椒」
粒が大きく房状に実る「ぶどう山椒」の産地として知られるのが有田川町です。県全体の収穫量は令和5年産で308トン。有田川町の清水地区には棚田「あらぎ島」があり、山椒畑と棚田を同じ日に眺められます。5月ごろの実山椒の収穫期は、道の駅などに生の実山椒が並びます。
じゃばら:令和5年産178トン、北山村だけの柑橘
じゃばらは北山村公式サイトが「全国唯一の特産品」と紹介する柑橘で、県の収穫量は令和5年産で178トン。生産量そのものは小さいものの、産地が事実上1村に限られる点が他の品目と異なります。果汁が豊富で酸味と苦みのバランスが独特なため、ジュースやぽん酢に加工されたものが県内の土産物売り場でよく見かけられます。
はっさく・いちじく・セミノール・グリーンピース・スターチス
はっさくは令和5年産17,446トンで全国1位。紀の川流域の果樹地帯で多く栽培され、1月〜3月の柑橘売り場の主役です。いちじくは1,692トン(令和5年産)、セミノールは1,241トン(令和5年産)、グリーンピースは1,700トン(令和6年産)、切り花のスターチスは63,600千本の出荷量(令和6年産)で、いずれも全国1位です。スターチスは日高地方などで栽培され、初夏の畑が紫や白に染まります。

発祥の地としての和歌山の日本一:醤油と鰹節
生産量ではなく「日本で最初」という意味の日本一もあります。和歌山県は醤油醸造の発祥の地(湯浅町)と、鰹節の製法を生んだ地(印南町)という、和食の土台を2つも持つ県です。
醤油醸造の発祥の地・湯浅町(日本遺産)
湯浅町公式サイトによると、「最初の一滴」醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅は2017年4月28日に文化庁の日本遺産に認定されました。中国に渡った禅僧が伝えた味噌の桶にたまった汁を、湯浅の人々が工夫して生まれたのが現在の醤油と伝わります。町なかには醤油蔵の白壁や格子の町家が残る伝統的建造物群保存地区があり、蔵元によっては見学や試飲も行っています(実施の有無・時間は各蔵元の公式案内をご確認ください)。JR湯浅駅から歩いて回れる距離で、半日の散策先として県民にも人気です。
鰹節の製法を生んだ町・印南町
印南町公式サイトによると、1600年代半ばに印南の漁民・角屋甚太郎が土佐・足摺岬で漁を行うなかで、煮て干すだけだった加工法に薪の煙でいぶす工程を加えた「燻乾法」を創案。2代目甚太郎が青かびを付けて日光乾燥を繰り返す「燻乾かび付け法」を確立し、鰹節特有の風味を生み出したとされています。2015年7月に国道42号沿いの海辺に「印南漁民顕彰の碑」が建立され、甚太郎の命日にあたる10月4日には献花式が行われています。なお、現在の印南町では鰹節製造は行われていないため、「発祥の地」を訪ねる旅として碑と海を見に行くのがおすすめです。

地形・自然の日本一:日本一短い川と全国唯一の飛び地
農産物と並んで、和歌山あるあるとして鉄板なのが地形の日本一です。全長13.5メートルのぶつぶつ川と、県内のどの市町村とも接していない北山村は、どちらも「そんなものがあるのか」と驚かれる定番ネタです。
ぶつぶつ川(那智勝浦町):全長13.5メートルの二級河川
和歌山県公式サイトによると、ぶつぶつ川は那智勝浦町粉白(このしろ)にある全長わずか13.5メートルの川で、2008年10月21日に二級河川に指定され、法律上の河川として日本一短い川になりました。名前は湧き水が「ふつふつ」と湧く様子が訛ったものと伝わります。川というより清らかな湧水のせせらぎで、歩けば数歩で「源流から河口まで」を制覇できます。那智勝浦の観光と合わせて立ち寄る地元民が多い場所で、周辺は住宅地のため駐車マナーには配慮してください。
北山村:全国で唯一、県内の他市町村と接しない飛び地
北山村は奈良県と三重県に囲まれた和歌山県の村で、公式サイトが「日本でただひとつ、県内の他市町村と接していない飛び地の村」と紹介しています。東西20キロ・南北8キロの村域の93パーセントが山林で、北山川では伝統の筏流しを受け継いだ観光筏下りが行われています(開催期間・料金・予約方法は北山村公式でご確認ください)。じゃばらの故郷でもあるため、「全国唯一の村で、全国唯一の柑橘を味わう」という二重の唯一体験ができる場所です。和歌山市内からは車で3時間以上かかるため、新宮・熊野エリアの旅程に組み込むのが現実的です。

備長炭・パンダ・世界遺産は?「日本一」と言い切れないものの扱い
ネット上の「和歌山 日本一 一覧」には紀州備長炭・パンダ・世界遺産が並ぶことが多いのですが、今回の公式確認では「日本一」と断定できる根拠が取れなかったため、根拠と一緒に別枠で整理します。
紀州備長炭:県公式は「日本有数」、令和5年度の白炭生産量は約927トン
和歌山県公式サイト(特用林産物・紀州備長炭)では、ウバメガシなどを原料とする白炭の生産量を令和5年度で年間約927トンと示し、「日本有数」と表現しています。また、紀州備長炭の製炭技術は1974年に県の無形民俗文化財に指定されています。生産量日本一と紹介する記事も多いものの、県公式ページ上には全国順位の記載がないため、この記事では「全国有数の白炭産地」としています。みなべ町・田辺市の山間部には備長炭に関する展示施設や炭焼き窯の見学スポットがあり、旅程に組み込むなら各施設の公式案内で開館日をご確認ください。
パンダと世界遺産
白浜町のアドベンチャーワールドは長年ジャイアントパンダの繁殖で知られてきましたが、飼育頭数は返還や誕生で変動するため、「日本一」と固定的に書ける項目ではありません。最新の飼育状況は施設公式サイトでご確認ください。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」も和歌山を代表する資産ですが、三重県・奈良県にまたがる登録のため「和歌山県だけの日本一」とは区分が異なります。高野山観光の記事で参拝の回り方を紹介しています。
和歌山の日本一を見に行ける「ゆかりの場所」と1日ルート
ここまでの日本一を、旅行者が実際に訪ねられる場所に落とし込むと次のとおりです。紀北(柿・はっさく)、紀中(みかん・醤油・梅・鰹節)、紀南(ぶつぶつ川・北山村)と南北に分かれるため、1日で全部は回れません。エリアごとに組むのが現実的です。
| 日本一 | ゆかりの場所 | 市町村 | ベストシーズン |
|---|---|---|---|
| みかん | 有田のみかん畑・みかん狩り農園 | 有田市・有田川町・海南市 | 10〜12月 |
| 梅 | 南部梅林 | みなべ町 | 2月(開花)・6月(収穫) |
| 柿 | 道の駅 柿の郷くどやま | 九度山町 | 10〜11月 |
| 山椒 | あらぎ島周辺の山椒畑 | 有田川町 | 5月(実山椒) |
| じゃばら | 北山村・観光筏下り | 北山村 | 夏(筏下りは公式で要確認) |
| 醤油発祥 | 湯浅の伝統的建造物群保存地区 | 湯浅町 | 通年 |
| 鰹節発祥 | 印南漁民顕彰の碑(国道42号沿い) | 印南町 | 通年(10月4日献花式) |
| 日本一短い川 | ぶつぶつ川 | 那智勝浦町粉白 | 通年 |
| 備長炭(全国有数) | 備長炭関連の展示施設 | みなべ町・田辺市 | 通年(開館日は要確認) |
紀中1日ルートの例:午前に湯浅町の町並みを歩いて醤油蔵を見学し、昼は有田で和歌山の名物グルメを味わい、午後は有田川町のあらぎ島へ。秋ならみかん狩りを組み込み、帰りに印南漁民顕彰の碑に立ち寄って夕日を眺める流れです。土産はみかん・梅干し・湯浅醤油・山椒と、日本一の品目で揃えると話のネタになります。土産選びは和歌山お土産ランキングも参考にしてください。

よくある質問
和歌山県の日本一は全部でいくつありますか?
県公式「わかやまなんでもランキング」で収穫量・出荷量が全国1位とされる品目は、みかん・うめ・かき・はっさく・いちじく・グリーンピース・セミノール・さんしょう・じゃばら・スターチスの10品目です(2026年9月25日確認)。これに醤油醸造の発祥(湯浅町)、鰹節製法の発祥(印南町)、日本一短い二級河川(ぶつぶつ川)、全国唯一の飛び地(北山村)を加えると14項目になります。
みかんの生産量は何年連続で日本一ですか?
連続年数は毎年更新されるため、この記事では固定の数字を載せていません。和歌山県公式では令和6年産141,700トンで全国1位、農林水産省の作物統計でも都道府県別の首位です。最新の連続年数は農林水産省近畿農政局の公表資料でご確認ください。
紀州備長炭は生産量日本一ではないのですか?
和歌山県公式サイトでは令和5年度の白炭生産量を約927トンとし、「日本有数」と表現しています。全国順位は同ページに記載がないため、この記事では「全国有数」としています。日本一と紹介する記事を見かけた場合は、出典の統計年度を確認するのがおすすめです。
アドベンチャーワールドのパンダは今も見られますか?
パンダの飼育状況は返還や誕生で変わります。来園前に必ずアドベンチャーワールド公式サイトで最新の飼育動物と公開状況をご確認ください。園内の回り方や割引はアドベンチャーワールドの攻略ガイド記事で紹介しています。
日本一のゆかりの場所は1日で回れますか?
紀北・紀中・紀南に分かれるため1日で全部は回れません。紀中(湯浅町・有田・みなべ町・印南町)は1日で組めますが、ぶつぶつ川と北山村は新宮・熊野エリアの旅程に入れると無理がありません。
- 和歌山県は収穫量・出荷量で全国1位の品目が10(みかん・うめ・かき・はっさく・いちじく・グリーンピース・セミノール・さんしょう・じゃばら・スターチス)
- 醤油醸造の発祥(湯浅町・日本遺産)と鰹節製法の発祥(印南町)という「日本で最初」を2つ持つ
- 全長13.5メートルのぶつぶつ川と、全国唯一の飛び地・北山村が地形の日本一
- 備長炭・パンダ・世界遺産は公式上「日本一」と断定できないため別枠で整理
- ゆかりの場所は紀北・紀中・紀南に分かれるので、エリアごとに1日ルートを組むのが現実的
次に読むなら和歌山あるある50選で、日本一ネタ以外の地元民の常識も押さえておくと、和歌山旅がより楽しくなります。




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