「和歌山って、雨ばっかり降ってるイメージ」と言われて、地元民がちょっとムッとするのはよくある話です。
実際のところ、和歌山市に住んでいる人は「そんなに降らないけど…」と思い、南部の人は「まあ、めちゃくちゃ降る」と即答します。
同じ県なのに答えが割れるのは、和歌山の気候が北と南でまるで別の県のように違うからです。
気象庁の平年値(1991〜2020年)を見ると、和歌山市の年降水量は1,414.4mm、潮岬(串本町)は2,654.3mmで、県内で約2倍の差があります。
この記事では、和歌山県民なら誰もが感じている「天気あるある」を、気象庁・和歌山県公式・和歌山地方気象台のデータで裏付けながら紹介します。
最後には旅行者向けの季節ごとの服装・持ち物の目安もまとめたので、和歌山旅行の計画にもお役立てください。

和歌山の天気あるある①「雨が多い」は南部の話。紀北と紀南で年降水量が2倍違う
結論から言うと、「和歌山は雨が多い」は紀南(県南部)では本当、紀北(県北部)ではそうでもないというのが正確な答えです。
和歌山県公式サイトは、県北部を瀬戸内海式気候、県南部を「黒潮の影響を受け温暖で台風の影響を受けやすく極めて降水量の多い地域」と分けて説明しています。
気象庁の平年値(1991〜2020年)で県内の主な観測地点を並べると、その差は一目瞭然です。
| 観測地点(市町村) | 年降水量 | 年平均気温 | 年間日照時間 |
|---|---|---|---|
| 和歌山(和歌山市) | 1,414.4mm | 16.9℃ | 2,100.1時間 |
| 高野山(高野町) | 2,003.1mm | 11.1℃ | 1,582.3時間 |
| 潮岬(串本町) | 2,654.3mm | 17.5℃ | 2,255.9時間 |
| 新宮(新宮市) | 3,332.9mm | 17.3℃ | 2,124.3時間 |
出典:和歌山県公式「和歌山県の地勢と気候」(気象庁平年値1991〜2020年)、気象庁 和歌山の平年値
新宮市の年降水量3,332.9mmは、和歌山市の2.4倍です。
さらに和歌山県教育センターの学習資料「わかやま発見」によると、県内で最も雨が多いのは那智勝浦町の色川で、年によっては4,000mmにもなるとされています。
一方で紀の川沿いの地域は年降水量が1,500mm以下になることが多く、「雨の少ない地域」と明記されています。
「和歌山市の人は雨のイメージにピンとこない」「南部の人は洗濯物を干す日を真剣に選ぶ」という温度差は、気候区の違いがそのまま生活感覚に出ているだけなのです。

和歌山あるある②雨が多い月は6月と9月。「梅雨」と「台風」のダブルパンチ
和歌山で雨が集中するのは、梅雨の6月と台風シーズンの9月です。
気象庁の平年値(1991〜2020年)では、和歌山市の月降水量は6月が183.5mmで最多、9月が181.3mmで2番目です。
潮岬に至っては6月364.7mm、9月339.2mmと、和歌山市の約2倍の雨が降ります。
逆に少ないのは冬で、和歌山市の1月は48.7mm、12月は62.7mmしかありません。
「冬の和歌山は晴れの日が多くて過ごしやすい」という地元の実感は、この数字どおりです。
和歌山県教育センターの資料でも「降水量の多い月は梅雨の6月と台風が多い9月、少ない月は冬の12月と1月」と説明されています。
| 月 | 和歌山市の月降水量 | 潮岬の月降水量 |
|---|---|---|
| 1月 | 48.7mm | 97.7mm |
| 6月 | 183.5mm | 364.7mm |
| 8月 | 101.8mm | 要確認 |
| 9月 | 181.3mm | 339.2mm |
| 12月 | 62.7mm | 要確認 |
観光で訪れるなら、10〜11月と3〜5月は降水量が比較的落ち着き、日照も多いので、屋外観光には向いています。
和歌山あるある③台風は「通り道」。紀伊水道の地形で風が強くなる理由
和歌山県民にとって台風は「年に一度は来るもの」という感覚です。
和歌山県教育センターの資料には、「紀伊半島が台風の通り道になっているため、平均すると毎年1回は台風の接近や上陸による被害を受けている」と記されています。
和歌山地方気象台は、台風の進路によって県内の影響が変わることを解説しています。
台風が県の西側(紀伊水道側)を通って南よりの風が吹くときは、紀伊水道の地形の影響で風が特に強くなり、高潮の影響も受けやすいコースになります。
反対に県の東側を通るときは、熊野灘沿岸で風雨が強まり、県南部を中心に大雨への注意が必要です。
和歌山地方気象台がまとめている「和歌山県に災害をもたらした主な台風」には、次のような事例が並びます。
- 1950年9月3日 ジェーン台風
- 1959年9月26日 伊勢湾台風
- 1961年9月16日 第二室戸台風
- 2011年8月30日〜9月4日 平成23年台風第12号(紀伊半島大水害)
- 2018年9月4日 平成30年台風第21号
出典:和歌山地方気象台「和歌山県に災害をもたらした主な台風」
どれも8月末から9月に集中しているのがポイントです。
台風接近時は空港や鉄道が計画運休になることもあるため、9月の旅行は交通機関の運行情報を必ず確認してください。

和歌山あるある④冬でも暖かい紀南、雪が積もる高野山。同じ県で1月の気温が8℃以上違う
「和歌山は冬でも暖かい」というイメージは、紀南の海沿いに限れば本当です。
気象庁の平年値(1991〜2020年)で1月の平均気温を比べると、和歌山市が6.2℃、潮岬が8.3℃です。
潮岬の年平均気温17.5℃は県内の主要観測地点で最も高く、黒潮の影響で「夏は涼しく、冬は暖かい」海洋性の気候になっています。
一方、8月の平均気温は和歌山市が28.4℃、潮岬が26.9℃です。
海に囲まれた潮岬のほうが夏は1.5℃ほど低く、「串本の夏は和歌山市より過ごしやすい」という地元の感覚にも数字の裏付けがあります。
ただし、高野山は別世界です。
和歌山県公式サイトによると高野山(高野町)の年平均気温は11.1℃で、和歌山市より5.8℃低くなっています。
和歌山県教育センターの資料では、高野山の1月の平均気温はマイナス0.5℃、8月でも22.3℃で、和歌山市の6月ごろとほぼ同じと説明されています。
「和歌山=暖かい」と思って薄着で高野山に行くと、冬は確実に後悔します。
| 観測地点 | 1月平均気温 | 8月平均気温 | 年平均気温 |
|---|---|---|---|
| 和歌山(和歌山市) | 6.2℃ | 28.4℃ | 16.9℃ |
| 潮岬(串本町) | 8.3℃ | 26.9℃ | 17.5℃ |
| 高野山(高野町) | 約-0.5℃※ | 約22.3℃※ | 11.1℃ |
出典:気象庁平年値(1991〜2020年)、和歌山県公式サイト。※高野山の月別値は和歌山県教育センター「わかやま発見」気象(PDF)の記載値で、統計期間が異なる可能性があります。

和歌山あるある⑤天気予報の「和歌山」は北部、「潮岬」は南部。自分の地域がどっちか問題
和歌山県民のあるあるで意外と知られていないのが、「天気予報の『和歌山』を見ても自分の町の天気が分からない」問題です。
気象庁の府県天気予報では、和歌山県は「北部」と「南部」の2つの予報区に分かれており、気温予報の代表地点は北部が「和歌山」(和歌山市)、南部が「潮岬」(串本町)です。
全国予報で表示される「和歌山」は和歌山市の値なので、田辺や白浜、新宮の人は「うちの天気じゃない」と感じています。
出典:気象庁 和歌山県府県天気予報データ(和歌山地方気象台発表)

和歌山あるある⑥海沿いの風と晴れの多さ。「日照時間が多い県」でもある
雨のイメージが強い和歌山ですが、晴れの日が多い県でもあるのが面白いところです。
気象庁の平年値(1991〜2020年)では、年間日照時間は和歌山市が2,100.1時間、潮岬が2,255.9時間です。
潮岬は年降水量2,654.3mmと雨が多いのに、日照時間も長い。
「降るときは一気に降って、あとはカラッと晴れる」のが紀南の天気の特徴で、梅雨や台風の時期を外せば海の青さが際立ちます。
もう一つの海沿いあるあるが「風」です。
潮岬の平均風速は4.4m/sで、県内でも風の強い地点です。
本州最南端の潮岬や白浜の海岸沿いでは、晴れていても帽子が飛ばされるほどの風が吹くことが珍しくありません。

旅行者向け:和歌山の季節ごとの服装・持ち物・天気の注意点
ここまでの気象データをもとに、和歌山旅行の季節別の服装と持ち物の目安を整理しました。
和歌山市・白浜・串本などの海沿いと、高野山・龍神などの山間部で分けて考えるのがコツです。
| 季節 | 海沿い(和歌山市・白浜・串本・新宮) | 山間部(高野山・龍神) | 天気の注意点 |
|---|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 長袖+薄手の上着。5月は日中半袖でも可 | 厚手の上着。高野山の朝晩は冷え込む | 3〜4月は月100mm前後の雨。折りたたみ傘を携帯 |
| 梅雨〜夏(6〜8月) | 半袖+日よけ。8月の和歌山市は平均28.4℃ | 高野山は8月でも22℃前後。羽織りもの必須 | 6月は年間で最多の雨。夏は強い日差しと海風対策 |
| 秋(9〜11月) | 9月は夏服、10月以降は長袖+上着 | 10月から冷え込み、11月は冬装備 | 9月は台風シーズン。運休・欠航に備えて余裕を持つ |
| 冬(12〜2月) | コートで十分。潮岬の1月平均は8.3℃と温暖 | 高野山は1月平均が氷点下。積雪・凍結あり | 降水量は最少。晴天が多く観光向き。山道はチェーン等を確認 |
持ち物で特におすすめしたいのは、折りたたみ傘より雨具(レインウェア)です。
紀南の雨は風を伴うことが多く、海沿いでは傘が役に立たない場面があります。
熊野古道や那智の滝など歩く観光地を予定しているなら、滑りにくい靴も用意してください。
冬の高野山は、積雪や路面凍結、道路規制を高野町や交通機関の公式サイトで最新確認してください。
夏の海水浴は、遊泳期間や監視員の有無を各海水浴場の公式案内で確認したうえで楽しみましょう。
あわせて読みたい和歌山の地元ネタ
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- 和歌山弁一覧:「雨降ってきたよしてよ」など地元の言い回しが分かります
- 和歌山の雨の日の過ごし方:6月や台風接近時の室内スポット選びに
よくある質問
和歌山は本当に雨が多い県ですか?
県南部(紀南)は日本でも有数の多雨地域です。
気象庁の平年値(1991〜2020年)で年降水量は新宮市が3,332.9mm、潮岬(串本町)が2,654.3mm、和歌山県教育センターの資料では那智勝浦町の色川が年によって4,000mmに達します。
一方、和歌山市は1,414.4mmで、紀の川沿いは1,500mm以下になることが多い「雨の少ない地域」です。
和歌山に台風が多いのはいつですか?
和歌山地方気象台がまとめた主な台風災害は、1950年ジェーン台風(9月3日)、1961年第二室戸台風(9月16日)、2011年台風第12号(8月30日〜9月4日)、2018年台風第21号(9月4日)など、8月末〜9月に集中しています。
平年値でも9月の降水量は和歌山市181.3mm、潮岬339.2mmと年間2番目に多く、この時期の旅行は運休・欠航への備えが必要です。
和歌山の冬は暖かいですか?服装はどうすればいいですか?
海沿いは温暖で、1月の平均気温は和歌山市6.2℃、潮岬8.3℃です。
冬の降水量も年間で最も少なく、晴れの日が多い観光向きの季節です。
ただし高野山は年平均気温11.1℃、1月は平均で氷点下になるため、積雪・凍結を前提とした冬装備と道路情報の確認が必要です。
和歌山の天気予報はどこを見ればいいですか?
気象庁の府県予報では和歌山県は「北部」「南部」に分かれ、気温の代表地点は北部が和歌山(和歌山市)、南部が潮岬(串本町)です。
全国予報の「和歌山」は和歌山市の値なので、白浜・串本・新宮・高野山へ行くときは目的地の市町村名で予報を確認してください。
和歌山旅行のベストシーズンは天気的にいつですか?
降水量が少なく日照が多いのは10〜11月と3〜5月、そして12〜2月の海沿いです。
6月(梅雨)と9月(台風)は雨の影響を受けやすいため、屋外観光が中心なら避けるか、予備日を設けるのがおすすめです。
- 「和歌山は雨が多い」は紀南の話。新宮3,332.9mm・潮岬2,654.3mmに対し、和歌山市は1,414.4mm(気象庁平年値1991〜2020年)
- 雨のピークは6月(梅雨)と9月(台風)。冬は降水量が最少で晴れが多い
- 紀伊半島は台風の通り道。西側通過時は紀伊水道で風が強まり、高潮にも注意
- 紀南の海沿いは冬も温暖(潮岬1月8.3℃)だが、高野山は1月に氷点下
- 天気予報は「北部=和歌山」「南部=潮岬」。目的地の市町村名で確認する
和歌山の天気は、北と南、海と山で驚くほど表情が変わります。
次に和歌山へ来るときは、ぜひ「どこの和歌山の天気か」を意識してみてください。




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