白浜の海沿いを走っていると、田辺湾に向かって突き出すように建つ、赤煉瓦とお城のような外観の建物が目に入ります。「あれは何?」と一度は気になった方も多いはずです。
それがホテル川久(和歌山県白浜町)です。宿泊料金を見て「ちょっと手が届かない」と感じた方や、「豪華なのは分かるけれど、何がそんなにすごいのか」がいまひとつ掴めない方も少なくないでしょう。
実はホテル川久は、泊まらなくても館内を見学できる「川久ミュージアム」があり、一般1,000円で入館できます。ロビーの金箔天井はギネス世界記録に認定され、建物そのものが村野藤吾賞を受けた名建築です。
この記事では、ホテル川久の建築とアートを「見に行く」という視点で、見どころ・川久ミュージアムの料金と時間・日帰りでの楽しみ方・白良浜やアドベンチャーワールドとの回り方まで、白浜に通う地元民の目線でまとめました。
最後に「宿泊しないと入れない場所はどこか」も整理しているので、白浜観光の予定を立てる前に読んでみてください。
ホテル川久とは|和歌山・白浜に建つバブル期の名建築
ホテル川久は、和歌山県西牟婁郡白浜町の田辺湾に面して建つリゾートホテルで、「世界の匠の技を一つの建物に集める」という発想で建てられた、日本でも例の少ない建築です。

着工はバブル景気の真っただ中で、平成初期に完成しました。当時の日本には「お金をかければ何でもできる」空気があり、ホテル川久はその象徴として今も語られます。ただし、単に豪華なだけの建物ではありません。
南紀白浜観光協会の紹介によれば、1993年に村野藤吾賞を受賞しており、建築の専門家からも評価された建物です。バブル期の「派手さ」と、職人仕事の「本物さ」が同居しているのがホテル川久の面白さだと思います。
白浜には多くの温泉ホテルがありますが、「建物を見るために行く宿」はホテル川久だけと言ってよいでしょう。
ホテル川久 建築の見どころ|金箔天井・24本の柱・瑠璃瓦
ホテル川久の建築で押さえておきたいのは、ロビーの金箔天井、24本の擬石柱、外観の瑠璃瓦と煉瓦の4点です。それぞれの数字は川久ミュージアム公式サイトで公開されているものをもとに紹介します。

ロビーの金箔天井|ギネス認定の「金箔表面積世界一」
ロビーの天井は一面が金箔で覆われています。公式情報では約1,200平方メートルの天井に約19万枚の金箔を手作業で施工したもので、フランス人職人ロベール・ゴアール氏の手によるものとされています。
ホテル川久の公式サイトでは、この天井がギネス世界記録「金箔表面積で世界No.1」に認定されていると紹介されています。SNSで「24金の天井」と呼ばれることもありますが、まずは「金箔の面積で世界一」と覚えておけば十分です。
アラベスク文様が施された天井を見上げると、ホテルというよりモスクや宮殿にいる感覚になります。入ってすぐ上を見るのが、川久を楽しむ最初のコツです。
24本のシュトックマルモ柱|1本ずつ模様が違う擬石
ロビーの天井を支える24本の柱は、ヨーロッパの「シュトックマルモ」という石膏の擬石技法で作られています。公式サイトの記載では直径1.6メートル、高さ7.4メートルで、本物の大理石のように見えますが、職人が手作業で模様を作り込んだものです。
柱の模様は1本ずつ違うので、時間があれば数本を見比べてみてください。「本物の石より手間がかかる擬石」という矛盾のような贅沢が、バブル期の建築らしいところです。
瑠璃瓦と煉瓦の外壁|紫禁城と同じ仕様の屋根
外観で目を引く青い屋根は瑠璃瓦(るりがわら)です。公式情報では約47万枚が使われ、北京の紫禁城と同じ仕様とされています。
外壁の煉瓦も73種類・約140万ピースが使われているとのことで、近づいて見ると色や形が微妙に違う煉瓦が組み合わされていることが分かります。建物の外周をゆっくり歩くだけでも、建築好きなら30分は飽きません。
ロビー床のローマンモザイク
足元にも注目です。ロビーの床には約1,500平方メートルにわたってローマンモザイクタイルが敷かれています。天井ばかり見て歩くと見落としがちなので、一度立ち止まって足元を見るのがおすすめです。
川久ミュージアムとは|宿泊しなくても館内見学できる仕組み
「ホテル川久を見てみたいけれど宿泊は難しい」という方に向けて、ホテル内には川久ミュージアムという入館制の見学施設があります。建築を体感しながら、オーナーコレクションの美術品も鑑賞できるのが特徴です。

川久ミュージアムの料金・開館時間(2026年9月時点)
川久ミュージアム公式サイトと南紀白浜観光協会で確認できた情報は次の通りです。変更される場合があるので、訪問前に公式サイトで最新をご確認ください。
| 開館時間 | 10:30〜18:00(最終入館は閉館30分前) |
|---|---|
| 休館日 | 年中無休(公式表記) |
| 入館料(一般) | 1,000円(税込) |
| 入館料(高校生・大学生) | 800円(税込)※学生証提示 |
| 入館料(中学生以下) | 無料 |
| 宿泊者 | 無料(観光協会・公式案内による) |
| 白浜町民 | 身分証提示で無料(観光協会案内による) |
| 再入館 | 当日のみ可(スタンプ制) |
| 電話 | 0739-42-2662(ミュージアム) |
予約の要否や所要時間の目安は公式サイトに明記がありません。団体で訪れる場合や確実に入館したい場合は、事前にミュージアムへ電話で確認しておくと安心です。
川久ミュージアムで見られるもの
川久ミュージアム公式サイトによると、展示はダリ、シャガール、横山大観、ヘンリー・ムーア、バリー・フラナガンなどのコレクションが中心です。ホテルの建築要素(金箔天井・柱・モザイク・瓦・煉瓦)も見学の対象として案内されており、「建築+美術」を一度に見られるのがこの施設の価値です。
なお、館内には「歴史的な家具」などの話題が口コミで語られることがありますが、公式サイトで確認できた展示内容は上記の通りです。展示品には触れない、展示室内では携帯電話を使わないといった注意事項があるので、マナーを守って鑑賞しましょう。
ミュージアム見学の回り方のコツ
- 最初にロビーで天井と柱をじっくり見てから展示室へ進むと、建物全体の理解が深まります
- 再入館が当日中なら可能なので、白良浜に行ってから夕方に戻る組み立てもできます
- 館内は飲食禁止・全面禁煙です。カフェは併設されていますが、営業状況は要確認です
ホテル川久を日帰りで楽しむ方法|見学・ランチ・温泉
ホテル川久は宿泊しなくても、ミュージアム見学に加えて日帰りのランチや温泉を組み合わせて楽しめる日があります。ただし日帰りプランは「お日にち限定」の設定が多く、実施日や料金はホテル公式で確認が必要です。

南紀白浜温泉「ロイヤルスパ」「悠久の森」
ホテル川久の温泉は南紀白浜温泉で、ホテル公式の温泉ページによると泉質はナトリウム・塩化物・炭酸水素塩泉です。浴場は2階の「ロイヤルスパ」と1階の「悠久の森」があり、田辺湾を望む露天風呂と森に囲まれた露天風呂の2タイプを男女入れ替え制で楽しめます。
温泉の利用時間は公式で朝5:00〜10:30、昼13:00〜23:30と案内されています。日帰り入浴については「可能」とありますが料金の記載がないため、日帰り入浴の料金・受付時間は電話またはホテル公式で要確認です。
「王様のビュッフェ」ランチ
ホテル川久の食事は「王様のビュッフェ」が看板で、宿泊者の夕食・朝食に加え、日程限定で日帰りランチ+温泉入浴のプランが設定されることがあります。内容や料金は時期で変わるため、ここでは金額を記載しません。ホテル公式サイトのプラン案内で最新をご確認ください。
宿泊しないと入れない場所
客室エリアや宿泊者向けラウンジは当然ながら宿泊者限定です。一方で、ロビーの金箔天井・柱・床のモザイク・ミュージアムの展示は日帰りでも見学できるので、「建築とアートを見に行く」目的なら日帰りでも満足度は高いと言えます。
ホテル川久へのアクセスと駐車場|白浜駅・空港・車
ホテル川久は白浜の中心からやや北側、白浜桟橋のそばにあります。ホテル公式のアクセス案内と観光協会の情報をもとに整理します。

| 住所 | 〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町3745 |
|---|---|
| 電話 | 0739-42-3322(ホテル・受付9:00〜18:00) |
| JR白浜駅から | 無料マイクロバスまたはタクシーで約15分(バスは予約不要・ホテル公式の時刻表を確認) |
| 南紀白浜空港から | タクシーで約10〜15分 |
| 車(大阪方面) | 南紀田辺ICから国道42号経由で約20分(約14km)。大阪から約2時間30分 |
| 最寄りバス停 | 「白浜桟橋」下車徒歩約3分(観光協会案内) |
| 駐車場 | 85台。宿泊者・ミュージアム利用者は無料(観光協会案内) |
| 公式サイト | ホテル川久/川久ミュージアム |
無料マイクロバスは公式サイトで白浜駅発13:55・14:50・15:55・16:55、ホテル発9:55・10:45と案内されていますが、時刻は変更されることがあるので出発前に公式で確認してください。
電車で来る場合、駅からのバスは午後便が中心です。午前にミュージアムを見たい方はタクシーか路線バスを使うと、時間を無駄にしません。
ホテル川久と周辺スポットの回り方|白良浜・とれとれ市場・アドベンチャーワールド
ホテル川久は白浜の主要スポットから車で10〜15分圏内なので、ミュージアム見学を半日の予定に組み込みやすい立地です。地元民がよく組む動線を3パターン紹介します。

パターン1:午前アドベンチャーワールド→午後に川久
川久ミュージアム公式によるとアドベンチャーワールドから車で約10分です。午前中にパンダやサファリを回り、午後にミュージアムで涼みながら建築を見る流れは、子連れでも無理がありません。アドベンチャーワールドの回り方はアドベンチャーワールドの割引・混雑・回り方で詳しくまとめています。
パターン2:白良浜で海→川久で建築→夕食は市街地
白良浜で午前を過ごし、日差しが強くなる昼過ぎにミュージアムへ移動すると快適です。夕方は白浜の市街地に戻って海鮮やクエを楽しむ組み立てが定番で、店選びは白浜ランチおすすめが参考になります。
パターン3:とれとれ市場で買い物→川久→温泉
とれとれ市場は白浜町の北側、田辺方面からのアクセス途中にあります。田辺市街から来る場合は、とれとれ市場で海鮮とお土産を見てから川久へ向かうとスムーズです。川久を見学したあとは白浜温泉の外湯に寄る流れもよく、日帰り入浴は白浜温泉の日帰り入浴にまとめています。
白浜全体のモデルコースは白浜観光モデルコースを、雨の日の代替案は和歌山の雨の日の過ごし方をどうぞ。ホテル川久のミュージアムは屋内なので、雨の日の白浜観光の避難先としても優秀です。
ホテル川久に宿泊するなら|建築好きが選ぶ視点
宿泊を検討する方に向けて、建築を楽しむ視点で「泊まる価値」を整理します。料金は時期で大きく変わるため、この記事では触れません。
- 朝と夜のロビーを見比べられる:金箔天井は照明で表情が変わります。日帰りでは見られない夜のロビーは宿泊者の特権です
- 温泉を朝5:00から使える:公式の温泉営業時間は朝5:00〜10:30。朝の田辺湾を露天風呂から眺められます
- ミュージアムが無料:宿泊者は川久ミュージアムの入館料が無料と案内されています
- 白浜の宿全体の比較は和歌山の旅館おすすめ、記念日利用の候補は和歌山のデートスポットもあわせてどうぞ
地元民の実感としては、「まず日帰りでミュージアムを見て、気に入ったら記念日に泊まる」という順番の方が失敗しません。宿泊予約は必ずホテル公式サイトで最新のプランをご確認ください。
よくある質問
ホテル川久は宿泊しなくても見学できますか?
はい。館内の「川久ミュージアム」は入館制で、一般1,000円(税込)で建築とコレクションを見学できます。開館時間は10:30〜18:00(最終入館17:30)で、公式では年中無休と案内されています。
川久ミュージアムの所要時間はどれくらいですか?
公式サイトに所要時間の記載はありません。ロビーの建築をじっくり見るか、展示のみを見るかで幅が出るため、余裕を持って予定に組み込み、必要なら事前にミュージアム(0739-42-2662)へ確認してください。
ホテル川久の金箔天井は本当にギネス認定ですか?
ホテル川久公式サイトでは、ロビーの金箔天井が「金箔表面積で世界No.1」としてギネス世界記録に認定されていると紹介されています。南紀白浜観光協会の案内でも2020年のギネス受賞と記載されています。
ホテル川久に駐車場はありますか?
南紀白浜観光協会の案内では85台の駐車場があり、宿泊者・ミュージアム利用者は無料とされています。川久ミュージアム公式にもミュージアム専用駐車場の記載があります。
アドベンチャーワールドや白良浜からの距離は?
川久ミュージアム公式ではアドベンチャーワールドから車で約10分、南紀白浜空港から車で約10分と案内されています。白良浜も同じ白浜町内で車で10分前後の距離感なので、半日で組み合わせやすい立地です。
まとめ|ホテル川久は「建築を見に行く」宿
- ホテル川久は和歌山・白浜のバブル期を代表する名建築で、1993年に村野藤吾賞を受賞
- ロビーの金箔天井はギネス認定「金箔表面積で世界No.1」。24本のシュトックマルモ柱、紫禁城仕様の瑠璃瓦も見どころ
- 宿泊しなくても「川久ミュージアム」で見学可能。一般1,000円・10:30〜18:00・中学生以下無料
- 日帰りランチや日帰り入浴は日程限定の設定があるため、ホテル公式で最新を確認
- アドベンチャーワールド・白良浜・とれとれ市場と組み合わせて半日コースにするのが地元流
次に読むなら、白浜全体の回り方をまとめた白浜観光モデルコースと、県内の温泉を目的別に整理した和歌山の温泉おすすめをどうぞ。




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